肉と魚は塩をふると美味しくなる!塩をふるタイミングは?

肉と魚は塩をふることで美味しさが増します。しかし、ただ塩をふればいいということではありません。

肉は直前、魚は焼く20分前に塩をふると美味しいといわれています。

肉と魚でタイミングが違う理由を知っておきましょう。

肉や魚に塩をふるとどうなる?

いっぱい塩をふっておいしくしよっと

ただ塩をふるだけではダメですよ

塩はかけるほど美味しくなる魔法の粉ではありません。かけすぎると辛くなってしまいます。

塩をかけるという作業は味付け以外にも理由があるのです。

塩をかけるメリットとデメリットがあるので正しい理由を知り、素材によって使い分けましょう。

まずは肉や魚と塩の関係を確認してみます。

肉や魚は塩をふると水分が出てくる?

お肉や魚に塩をふりかけておいておくと、表面に水分が滲んでくる。これは塩がふられた表面近くの塩分濃度が高くなり、それを薄めようとする浸透圧の働きによって、中の水分が表面に引き出された状態。この状態になることで、どのような効果が生まれるのでしょう?

なぜ肉や魚は焼くと固くなる

肉や魚にはたんぱく質が含まれていて、タンパク質は加熱すると凝固する性質を持っている。塩をふることで加熱すると凝固するという作用を促進する働きがあります。

塩の選び方とふり方

肉も魚も、精製塩より天然塩を使った方が、仕上がりがまろやかに。材料の20~30cmくらい上から塩をふるのがコツ。これで1か所にかたまらず、全体にまんべんなくふることができます。

塩は均一にふらないと、味だけではなく内部への熱の入り方や、焼き色の付き方にムラが出るので気をつけましょう。

塩をふる適切な量も肉と魚で違う。魚は重量の3〜4%程度、肉は重量の1%程度です。

魚に塩をふってから20分置いておく理由

なんで塩をふって20分置いておくの?

魚は塩をふると臭みがなくなりくずれにくくなります

魚は塩味をつけるだけではなく、生臭さを出して身をくずれにくくするために塩をふります。

下ごしらえした一尾魚や切り身魚はざるに広げて塩をふり、20分ほどおいてから焼くと美味しくなります。

魚に塩をふりかけてから加熱すると、表面がすばやく固まって、中のうまみが外に逃げ出さず、中に閉じ込められて美味しくなるのです。

さらに表面の身がしまるため、焼いたときに早く固まり、うまみを中に閉じ込めてくれるなどの効果もあります。

これは中の水分が出てくることで、身が締り崩れにくくなるという効果があります。しかも、引き出された水分の中に魚の生臭さも含まれるので、魚に塩をふって水を出すと美味しくなります。

ただし、塩をふってから焼くまでの時間は20分くらいまでに。これ以上長くおくと、身の水分とともにうまみもどんどん流れ出してしまいます。

焼く前に、表面にしみ出た水をキッチンペーパーなどで軽くふくように。せっかく出した生臭さがくっついたままになってしまいます。仕上がりもこんがり美味しそうに焼きあがるので必ずふき取りましょう。

生臭さがない新鮮な魚は、生臭さをとる必要がないので焼く直前でも大丈夫。気になる人だけ時間をおいて焼きましょう。

塩焼きにはタイやスズキ、サンマ、アジ、イワシ、サバ、イサキ、カマス、アユなどがおすすめです。

お肉は焼く直前に塩をふる理由

お肉も魚と同じように塩をふっておいてから焼いてみよう

お肉は焼く直前にしましょう

ほどよく身をしめてから焼くほうがいい魚と違い、ステーキやソテーにする肉は柔らかくジューシーに仕上げたいもの。早くから塩をふると、魚と同様に塩が水分を吸って、肉がかたくなりうまみも抜けてしまう。そこで、肉類は焼く直前に塩をふる。こしょうも前もってふると香りがなくなり、水気を吸って肉の味が落ちるので、塩と共に焼く直前にふりましょう。

お肉は魚ほど臭みをとるという作業が重要ではない。どちらかというと下味をつけるという作業が強いため塩をふったらすぐに焼きましょう。

美味しいお肉の条件として水分量があり、最もジューシーで美味しい肉は水分量42%ほどといわれています。

塩をふって水分が出ることでうまみが出て行ってしまい、焼いたときに固くてパサパサになってしまうのです。

黒毛和牛などの高級な肉は水分量が調整されている場合があるので、逆に塩をふらず焼いてからふったほうがうまみが逃げない美味しい肉に仕上がります。

スーパーの肉や輸入牛などは臭みがあるため必ず焼く前にふりましょう。

まとめ

肉と魚を焼く注意点

  • 塩をふるときは均一に
  • 魚に塩をふっておいておくときは20分まで
  • 肉は塩をふったらすぐに焼く
  • 塩をふるタイミングは鮮度にも影響する

肉や魚に塩をふると水分が出て、良いように作用する場合と悪いように作用することがある。食材の特長を理解して状況に応じて塩をふって焼きましょう。

基本は魚は塩をふっておいてから焼く。肉は焼く直前に塩をふる。と覚えておくことです。まんべんなく均一に塩をふることも忘れずに。